紫微斗数の四化星について
四化星は化禄星、化権星、化科星、化忌星の4つの星のことを呼び、単独で行動することはなく、必ず影響力のある強い星に寄り添うように輝きます。命盤の吉凶を推命する際にもっとも重要視するエッセンスです。
化禄星
化禄星は陰の土性に属します(紫微星と同じです)。「財」と「福」の星です。この星を命宮に持つ人は、落ち着きがあり、おおらかな性格をしています。また福分が厚いので、衣食住に困るようなことはありません。性格的には気前が良く、人にいろいろと振る舞うことを好み、その結果多くの友人から慕われるようになります。化権星に化科星が三方四正にはいると「三奇加会」という最高の組み合わせですから、社会的な地位と名声を得ることができ大成功します。ビジネスマンであれば、地方勤務を経たのちに出世が待っています。官庁勤めであれば、中央で活躍できます。命宮で天同・太陽と同宮しますと、大きな財産を築きます。命宮で禄存星が同宮しますと、財運が豊かとなり、隣人や家族ににそれを施しますます。逆に凶星と多く加会したら、物には困りませんが、金銭には窮します。思わぬ出費に悩まされるでしょう。化禄には「助」という意味もあります。つまり、困っている人をみると放っておけない性格なのです。財星(紫微、天府、太陰、貪狼)にあうとお金の取得は楽になります。しかも持続的で、枯渇することはありません。また四庫の地(辰・戌・丑・未)に化禄が入ると、つかんだ財産を守ることができます。父母宮か疾厄宮にはいる人は、聡明で楽観的ですが、やや怠惰な性格になります。財帛宮か田宅宮にはいることが、財を得る上でもっとも重要です。なぜなら財帛は「財布の中身」つまりお金の使い方、そして田宅は「貯金」に相当するからです。
化権星
化権星は、陽の木性に属します。その名のとおり「権力」を司り、決断の星でもあります。化権を命宮に持つ人は常識的で、何事も慎重にのぞみます。しかし、性格はやや偏屈なところがあり、固執的となります。この人は、「一生懸命」とか「がんばる」という言葉が似合います。こうと決めたら執拗になり、思ったとおりに行動します。また権力争いに縁があります。他人によく干渉するタイプですが、自分が干渉されるのを嫌います。命宮、身宮、そして遷移宮のどれかにはいれば、実権を手に入れます。財帛宮に座すと、財産に対する欲望が強くなり、努力して手に入れます。官禄宮にはいれば、サラリーマンでも事業家でも大いに努力奮闘します。六親宮(命・兄弟・父母・夫妻・子女・奴僕)にはいると、仁義を重んじる傾向がありますが、摩擦が発生します。たとえば夫妻宮ですと、結婚相手は主観が強くて自己主張が激しい人です。能力や才能が高いので、それを利用できる度量が必要です。子女宮にはいると、性欲絶倫になりがちです。しかも子宝に恵まれ、老後の心配はありません。
化科星
化科星は陽の水性に属します。試験運や文章力を司ります。そして優雅で風流になり、「貴人」という意味合いもあります。化科を命宮に持つ人は、とても知的で聰明です。若いころから秀才ぶりを発揮し、アーティスト感覚が際立ちます。また、ビジネスや官僚の道でも活躍することができます。命宮に化科があり、さらに文昌、文曲、天魁、天鉞などと同宮すれば、芸術や学術面で飛び抜けた才能を発揮し、ひとたびチャンスに恵まれれば大きな名声と成功をつかみます。ただし命宮の化科に凶星が同宮すれば、才能は認められない傾向になるものの教職員としての適性はあります。化科が夫妻宮にはいるとステキな相手と結婚ができ、しかも仲が良いです。官禄宮にはいると巧みな文章能力を使った仕事にむきます。が、体力勝負の仕事は苦手です。化科にも「桃花」つまり色事の性質があります。ただしそれは化権のような「干渉」とは違って、さっぱりした粋な感じです。ゆえに、化科のついた宮に行限が巡ってくると、スマートな恋愛のチャンスが待っています。
化忌星
紫微斗数最悪の凶星「化忌」です。化忌星は陽の水性に属します。困難や挫折を司ります。化忌星を命宮に持つ人は、意外にも率直な性格になります。失恋や失業など「失う」という現象に多く出合い、何かと災難につきまとわれ、悩み多い日々をおくることになります。また、お節介をやきたがり、うるさく人にちょっかいをかけるところがあります。精神的に孤独なのです。公務員よりも民間企業に向きますし、一般的なサラリーマンよりも、特種技能を持つ専門職や研究、創作活動に適しています。化忌がついた星の力量が強ければ、突発的な災難に遭遇しても、間一髪で助けが入ります。また、かえって急激に成功したりします。疾厄宮か父母宮にあるひとは(遺伝の関係?)先天的に痩せていて虚弱体質です。財帛宮にはいると収入が不安定で、出たりはいったりが繰り返されます。福徳宮にあるひとは趣味が少なく、どことなく不幸そうです。遷移宮にあると出会い頭の事故や、出張先でのトラブルに悩まされます。また、初対面での印象が悪く、はじめは損をします。化忌が六親宮(命・兄弟・父母・夫妻・子女・奴僕)にはいると、「欠」という現象が出てきます。たとえば夫妻宮にはいると、配偶者に何かしらの欠陥が生まれるのです。それが何かは、14主星の強弱と同宮する副星の組み合わせで判断します。さらにその六親に対しての金銭の貸し借りには十分注意が必要になります。