紫微斗数とは

紫微斗数の歴史

紫微斗数は、中国唐の時代から宗の時代にかけて活躍した陳希夷(867~984)という仙人が創始したとされています。おそらく唐の時代にインド経由でもたらされた西洋のホロスコープ占星術が、中国風に形を変え、その影響を受け、新しいひとつの占術の原型をつくったのでしょう。その後、その道教の門派の中で様々な実験と取捨選択が行われ、その結果いくつかの系統の伝本が現代に伝わりました。東洋の占星術とでもいうべきもので、一般によく知られている四柱推命とは趣が異なった占術です。西洋占星術と同じように、12の宮からなるホロスコープ・チャート(命盤)を作成して判断する星占いです。しかし、実際の天体の運行を観測・計算し、それにもとづきホロスコープを描く西洋占星術に対し、紫微斗数は東洋占術特有の10干12支と旧暦との関係を「星」という象徴に表わしてホロスコープに配します。西洋占星術は、太陽星座による性格判定ですから、そのままグレゴリオ暦を見て太陽星座を見つけますが、紫微斗数では星の算出まで面倒な手続きを要します。また、産まれた時間が分からないと、まったく作れないのが、この占いの盲点です。それが、いままで広まらなかった最大の要因であると考えています。ただし、だいたいの時間帯がわかる場合は、命盤を複数作製して、あとは観相法と照らし合わせて産まれた時間をはじき出すことも可能です。

命盤のしくみ

十二宮について

紫微斗数では人の命運を測るのにの12の角度からのアプローチがあります。命宮から父母宮までの12の宮があり、さらに番外編として「身宮」というものがあります。

命宮

紫微斗数で人の命運を読み取る基本となる最も重要な宮です。その人の性格、特性、運命の傾向の基本的なことがらがすべてこの宮に表現されます。才能や職業の適性、そして成功の程度などを読み取ります。また、基本的な健康状態や容貌などを見ます。それと、6人に1人の割合で、命宮に主星がひとつも入らないことがあります。それを専門用語で「命無星曜」という格になります。詳しくは後述しますが、そういう場合は対宮にあたる「遷移宮」から星を借りて考察します。

兄弟宮

兄弟姉妹との関係を見ます。あなたにとって兄弟姉妹がどのような人なのか、仲良く助け合うのか、あるいは反目し疎遠となるか、などを判断します。しかし筆者の経験では、肉親よりもむしろ親友やライバルのほうが強く現れると考えています。

夫妻宮

結婚相手および恋愛に関することを見ます。配偶者のタイプ、性格、人相などが浮き彫りにされるだけでなく、結婚生活の状態を読み取ります。また、恋愛傾向や好みの異性のタイプを判断することができます。さらに、どのような恋愛の過程をたどるかも見ることができます。いわば紫微斗数のもっとも得意とする宮だと言えます。

子女宮

子どもに関することを見ます。どんな子に恵まれるか、子どもの性格やタイプなどを判断します。また、何人くらいの子どもが授かり、どんな状態で生まれてくるか、などを判断します。ただ、他の宮と比べると、まれに当たらないことがありますので要注意。むしろ子どもを作る行為、つまりセックスに関することが表現されますので、わりとそちらの運勢を読み取るために使います。

財帛宮

文字通り、財産に関することを見ます。財運があるかないかはもちろんのこと、どうしたら財を得ることができるのか、といったアドバイス的な読み取りも可能です。金銭を得るのに適した方法がわかるわけです。コツコツと働くことにより財を得るのか、突如として財を得るようになるのか、つまりギャンブル運や自営業運、副業運などの傾向があらわれます。また、官禄宮と合わせて判断することにより、勤め人に適しているのか、独立した自由業に適しているのかを判断します。

疾厄宮

この宮は、健康状態を読み取ります。かかりやすい病気は何か、健康上の弱点はどこかがわかります。そして、息災を得るためにはどこに注意すればよいか、といったことを判断します。また深読みが得意になれば、不慮の事故に見舞われるタイプか、それとも助かる傾向にあるのか、その被害の状態なども、なんとなくわかってきます。

遷移宮

基本的には、自分より立場が下の相手との関係を見ます。後輩や部下、弟子などの人間関係を意味しますが、年下の友人の関係もあらわれてきます。さらに広く自分の意見を求める人々や大衆との関係も判断します。この宮が悪いと、経営者ならば部下に悩まされます。またペットや家畜などの相性も、この宮で見てとれることもあります。

奴僕宮

基本的には、自分より立場が下の相手との関係を見ます。後輩や部下、弟子などの人間関係を意味しますが、年下の友人の関係もあらわれてきます。さらに広く自分の意見を求める人々や大衆との関係も判断します。この宮が悪いと、経営者ならば部下に悩まされます。またペットや家畜などの相性も、この宮で見てとれることもあります。

官禄宮

仕事に関することを見ます。サラリーマン体質なのか自由業が向いているのか。得意な職種や出世するための方法もわかります。ただし職業適性については命宮と合わせて判断しなければなりません。それと財帛宮と照らしながら金銭の流れを考察し、仕事に対する力量のかけ方などを調べれば、よりすばらしい回答が得られます。

田宅宮

おもに不動産運を見ます。不動産に恵まれるのか。またどのようにして不動産を入手するのか。自分が住む住居の環境や、尋ねてくれる人が多いのか少ないのか。さらには結婚したあとの家庭内の状態も判断できます。またこの宮には、じぶんの因縁めいた部分も色濃く洗われてきます。

福徳宮

この宮には眼に見えない精神性、つまり深層心理的な側面が現れます。現実的な部分では趣味や娯楽の傾向を探ります。すなわち人生において、どのような方面に楽しみを感じる人なのか、交際の方法などを読み取ります。卓越すると寿命も読み取ることができますが、初学者にはお勧めしません。

父母宮

文字通り、父母との関係を見ます。自分にとって両親はどんな印象なのか。両親との縁が厚いか薄いか。父母から愛情を受けて育てられたのかどうか。また、広い意味では年上や上司との相性なども判断します。

身宮

「命宮」「遷移宮」「夫妻宮」「財帛宮」「官禄宮」「福徳宮」のどれかと同居するのが、この「身宮」です。一般に「命宮は先天運を判断し、身宮は後天運を判断する」と言われています。しかし身宮の見方には、現在のところ流派によってさまざまな見解が主張されています。簡単にいうと、そのひとの最終的な目的を示すと考えていただければ結構です。子午刻生まれは命宮と同宮……最終的には、自分のために生きる人生を選ぶ。 卯酉刻生まれは遷移宮と同宮…対人関係と遠方での活躍が人生の大きな課題。 巳亥刻生まれは夫妻宮と同宮…よくも悪くも異性に関することが人生の試練。 辰戌刻生まれは財帛宮と同宮…人生の後半は、お金を稼ぐことが喜びとなる。 寅申刻生まれは官禄宮と同宮…恋よりも仕事。給料より職業の内容が最優先。 丑未刻生まれは福徳宮と同宮…何事をするにも自分の趣味や価値観が最優先。

独主、同宮、加会、沖照、隣宮、挟照、挟破について

ひとつの宮に、ひとつの主星が入ることを『独主』と呼びます。「副星が独主している」とは使いませんので注意してください。また、主星がひとつで、それに副星が入っていても『独主』です。紫微星が入っていたら『紫微独主』、天機星だったら『天機独主』と言います。そこに禄存や文昌などが寄り添っていても『独主』であることに変わりありません。 それに対して、ふたつの星が同じ宮に入ることを『同宮』と呼びます。武曲星と七殺星が入っていたら「武曲と七殺が同宮している」と呼ぶわけです。独主と違って同宮には副星も含まれます。これに陀羅星が入っていたら「武曲七殺に陀羅が同宮した」と言うのです。本宮からみた三方四正で出合う星の関係を『加会』と言います。この場合も、主星と副星の差別はありません。また、対宮に吉星がいることを『冲照』と呼んで喜んだり、逆に凶星がいると「冲破」といって警戒したりします。そのほか、本宮のとなりを『隣宮』といいます。この隣宮に左輔と右弼、あるいは文昌と文曲、また天魁と天鉞に挟まれた状態を『狭照』と呼びます。逆に、羊刃と陀羅、火星と鈴星、天空と地劫に挟まれると『挟破』となります。

命無星曜格、無星曜宮

命宮に主星が入っていない人のことを『命無星曜』格と呼びます。主星が入っていないと「何か問題があるの?」と思われるかもしれません。命無正曜の場合、まず対宮である『遷移宮』から主星を借りてきます。その際、その主星の影響力は7割程度となります。命宮に主星がない分、エゴは少ない傾向です。また、まわりの影響を特に強く受けやすい性質になりますので、つきあう人や選んだ環境によって、自己の人間性も左右されます。しかしその反面、人間関係を強くもちたがり、友人の数は多く、いたるところで独特の存在感を示すようです。命宮が弱い分、深層心理をあらわす「福徳宮」の影響が表面化しやすく、とても不思議な雰囲気をもっていたり、裏表のない、ストレートな表現をしたりします。

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